カルチャー
K-POPの「era(エラ)」って何?
pocabaseチームより · · 読了目安1分

ファン同士の会話で、何度も出てくる言い方があります。「あれは、あのeraのときだったよね」。数か月のことなのに、世紀を思わせる言葉ですが、世界中のファンがそのまま使っています。そしてそれには、はっきりした意味があります。K-POPでは、カムバックのたびに、ひと目で分かるように設計された完全な世界が一つ用意され、やがて次の世界に入れ替わります。eraとは何かが分かれば、stanがグループを章の連なりのように語る理由、そしてコレクションも同じように整理される理由が分かります。
eraとは、正確には何か
eraとは、一つのリリースを取り巻く期間のことです。発表、ティーザーとコンセプトフォト(リリース前に公開される公式のビジュアル)、MV、音楽番組でのプロモーション週間、そしてグループがそのレコードとともに過ごす数週間から数か月。たいてい、最初のビジュアルが出たときに始まり、次のカムバックが引き継いだときに終わります。そのあいだ、グループが人前で見せるものはすべて、同じ署名を帯びています。
eraを単なるリリースと分けるのは、統一感です。欧米のアルバムなら、ジャケットと数枚のプレス写真がつくくらいかもしれません。K-POPのeraは、タイトル曲とb-side、イメージ、衣装、MVのセット、タイポグラフィ、ときにはリリースどうしをひとつの全体としてつなぐ小さなストーリーまで設計します。その結果は一瞬で見分けがつき、それこそがねらいなのです。
eraが変わると何が変わるか
カムバックが変われば、ほとんどすべてが動きます。eraを決める要素はいつも大まかに同じで、その組み合わせ方が、その時期の個性をつくります。
ポイント
- コンセプト:色のパレット、テーマ(学校、ダーク、夏、未来的)、見分けのつく写真のディレクション。
- サウンド:ジャンルや質感。前のタイトル曲と大きく変わることもある。
- 振り付け:サビの決めの動きであるポイントダンス。ファンがよくまねをして、その時期の象徴になる。
- スタイリング:髪型、髪の色、ステージ衣装。ファンは、それをいくつもの目印として覚えている。
- ロゴとタイポグラフィ:アルバムのタイトル、ときにはグループ名そのものまで、一つのリリースのために描き直されることがある。

ファンがなんでもeraで数える理由
stanにとって、eraはいちばん自然な時間の単位です。「去年」と言うのはぼんやりしていますが、「biasが青い髪だったera」や「砂漠でMVを撮ってたころ」と言えば、映像や曲、空気感がすぐによみがえります。個人的な思い出もそこにひも付きます。初めてのコンサート、初めての注文、ライトなファンからstanになった瞬間は、ほぼ必ず特定のeraに結びついています。
この時間の区切り方は、古くからのファンと新しいファンが話すときにも役立ちます。誰にでも好きなeraがあります。ファンになったきっかけのera、あるいはult(誰よりも先に来るメンバー)が絶頂だったera。グループのベストコンセプトをめぐる議論は、ファン文化の一部です。この言葉は、比べる、思い出す、受け渡すための共通の語彙を、みんなに与えてくれます。
アルバムからeraを読む
eraをいちばんよくとらえるのは、フィジカルのアルバムです。ジャケット、ボックスの形、フォトブックとその演出は、そのときのコンセプトをそのまま響かせていて、ファンなら背表紙だけで時期が分かることもよくあります。同じアルバムの別バージョンも、コンセプトを複数の面に分けて見せる傾向があります。たとえば、明るい雰囲気と、暗めの雰囲気です。
リパッケージが新しいeraというより、eraの延長に感じられるのも、そのためです。ビジュアルは変わり、数曲が加わりますが、世界はそのまま見分けがつきます。いっぽう新しいミニアルバムは、すぐあとに出たとしても、たいてい独自の個性をもつ別の章を開きます。

pocaとMD:eraが残すもの
アルバムに入っているトレカ(photocard)、ファンの言葉でいうpocaは、eraのいちばん個人的な痕跡です。コンセプトの髪型、衣装、照明がそのまま写っているので、1枚のカードだけで時期が分かることもよくあります。biasをpullする(封のされたアルバムからそのカードを引く)なら、それがいちばん好きなeraのpocaだと、特別な気持ちになります。OT7やOT5(グループ全員)のセットをそろえることは、グループがまさにその装いだった瞬間に止まった、その時期の写真を集めることなのです。
MD、つまり公式グッズも同じ理屈です。プロモーション、ツアー、ポップアップで売られるアイテムは、その時期のロゴ、色、ときにはマスコットまで使うので、時期を示す目印になります。一つのグループでも、eraが変われば、まったく違うシリーズのモノが残ります。そして、そのコントラストこそが、コレクションを生き生きとさせることが多いのです。
eraでコレクションを整理する
多くのコレクターは、棚やバインダーを、五十音順や値段順ではなく、eraで整理するようになります。同じ時期のアルバム、poca、MDを一か所にまとめると、グループの物語の一つの瞬間がそっくり語られます。読みやすく、見せるのも楽しくなります。家族のアルバムをめくるように、ディスコグラフィを眺められるのです。
迷わないためには、ディスコグラフィから出発して、リリースごとに「どんな世界を運んでいたか」を問うだけで十分なことが多いです。アルバムとグループのページを使えば、その流れを組み立て直し、自分のコレクションでそのeraがそろうために、何がまだ足りないかも見つけられます。














